○AT-Xで放送されたゴッドマーズを録画しながら数話見てみる。
幼少期、ロボとしてのゴッドマーズが大好きだったことを改めて感じる。お友達が超合金持っててすげー羨ましかったんだよなー。
で、原作マーズに興味を持ち、そういえば同様に救えないロボット漫画でザ・ムーンがあったよな、と思い出しジョージ秋山のザ・ムーンをしっかり読んでみたくなり、アマゾンで電子版を買う。

※今更ではありますがネタバレあります。


男爵が結局何者か分からないままなのでアレですが、ロボットの設定上宇宙戦は難しいわけで少なくとも彼は宇宙人の襲来って想定していなかったのだろうか。
さまざまなレビューで「乗り込み型ではないことが最大の弱点」とツッコまれており、乗り込み型でない理由に一言言及があればもう少し印象が違ったのかも知れませんが、とにかく語らない漫画なのでこれはこれでいいのだろうか。そもそも当時はいちいち細かい説明する漫画のほうが少なかったと思います。俺はまだ生まれてなかったはずですが。
というか最大のハイライトであると思われる「般若心経での初飛行」シーンにしたって唐突に回想で「そういえば男爵からテレキネシスのことを聞いたよ」と、明らかに取って付けた感でしたしね。「摩訶!」

いやまて、そもそも「乗り込み型ロボット」の始祖ってマジンガーZ(1972年10月)だよな。ムーンは72年の14号開始らしい。なので72年3月辺りか?こっちのほうが世に出るのがちょっと早かったようです。そこ考えたら鉄人28号、ジャイアントロボと同じ遠隔運用なので当時はアレが当たり前だったはず。なるほどそうだったのか、すげーーー腑に落ちた。そりゃ男爵もいちいち言及したりしないはずだわ。
とはいえ1年は連載続いていたはずなので終盤ではすでにマジンガーZが大人気になってたはず。そして作者も今後は乗り込み型ロボットが主流になると感じていたのかも知れない。「その手があったか」とか思いつつもマネして今更搭乗させるわけにも行かない、それ故に乗り込み型へのアンチテーゼとして、「今後はもうできないであろう」あのラストシーンが生まれたのだろうか。ラストに向けて現れた舞台装置が「遅効性のカビ」だったという話の流れも頷けるものになるな。(実際は作内で「鉄もカビらせる」とか言ってましたが)


で、その衝撃のラストシーン、1年で地球人類を死滅させるというカビが出始めてからカメラが少年達だけを追うようになってしまって、悪役木の国屋だとか男爵だとかがどう動いてるかわからないためものすごい孤立感があります。スーパーヒーロー糞虫も出てこなくなりますし。
セントバ-ナ-提督がほのめかした「助かる条件」も明確にされてないし……。(彼のそれまでのセリフを鵜呑みにすれば地球内での戦争を全てやめ、人類が一致団結することなのでしょうが)
確かに打ち切り感ハンパないのですけどもそれまでは田中角栄っぽい総理大臣だとかその他いろいろな組織の暗躍が描かれてたのにカビ発生装置の話しが出てからほぼ少年達の描写だけになってるのはものすごい演出だと感じられます。


そして、現代の感覚からすれば明らかにカッコ悪いはずのザ・ムーンが見開き多用で妙にかっこよく見えるというのはホント漫画のマジックというか外連味の勝利。あとサンスウがムーンの名を呼ぶときは冒頭の魔魔男爵がそうであったようにだいたい2コマ消費され「ザ!」で溜めて「ムーン!」と大ゴマで叫ぶとか、男爵と糞虫のやり取りとかの「様式だったやり方」がとてもいい。クセになる絵が多いので電子版購入して正解だったと思います。

しっかしスパロボに出たら精神コマンド9人分あるけど戦艦から一定距離以上離れられないとかいいアクセントのあるユニットになりそうなんですけどさすがにこれの参戦はないのでしょうね。
「ぼくらの」ジアースなんかは「全マップ通じて15回までしか出撃できない」というSRXもビックリの制限が付けられちゃいますよね。


○そーいえば、84年~85年頃、新幹線や電車がロボに変形するシリーズがあった記憶があるのですが、ググってもシンカリオンに阻まれて見つけられません。あれ何だったっけ……。

アマゾンだとマーズの電子版ないんだよな……。